中医学では、冬は『閉蔵』の季節といって、万物が静かに、消極的に過ごし、やがて来る春のために貯蔵する時期である(黄帝内経~素問~四気調神大論より)としています。天の陽気は遠ざかり、生機(せいき)が閉じこもる期です。
また、五臓では腎(じん)の季節です。
そして腎は寒を嫌います。
夜は早く寝て、朝はゆっくり起きる、やはり日の出日没のリズムに合った生活を送ると良い季節です。また、活動的な生活、例えば汗をかくほど気を発散しすぎたり、お酒を飲みすぎて腎を傷つけたり、体を冷やして体内の陽気をもらしたりすると、春になって足がしびれ、腰の不調などに悩まされやすくなります。
冬は気持ちを静かに落ち着かせ、次の季節まで英気を養う心構えでいることが、冬の漢方養生訓です。
体を温める漢方
冬の冷えた体を温める方法として、部屋を暖める、衣服で暖める、食べ物や漢方薬、お風呂などで温める、エアコンのない時代から人々はいろいろと工夫を重ねてきました。
さて、体を内側からホッカホカにする生薬として、ポピュラーなものに乾姜(かんきょう)・附子(ぶし)・桂枝(けいし)・呉茱萸(ごしゅゆ)・蜀椒(しょくしょう)などがあります。
代表的な温剤(生薬)
乾姜 (かんきょう)
ショウガの根茎を湯通し皮を除き煮沸乾燥したもの。
【味・性】大辛・大熱
【帰経】心・肺・胃・腎附子 (ぶし)
カラトリカブトの塊根。
【味・性】大辛・大熱
【帰経】心・脾・腎桂枝 (けいし)
桂樹の枝や幹の皮。シナモン。
【味・性】辛甘・温
【帰経】心・肺・膀胱呉茱萸 (ごしゅゆ)
ゴシュユの未熟果。
【味・性】辛苦・大熱
【帰経】肝・胃・脾・腎蜀椒 (しょくしょう)
和名:山椒(さんしょう)、ハジカミ。
【味・性】辛・大熱
【帰経】脾・胃・肺・腎これらの生薬は「温性」や「熱性」をもつ、温薬としてポピュラーなものですが、実は万人の体を温める薬になる、というわけでもありません。上表の生薬が適するケースは、寒証や虚証の方のみです。
風邪薬でも同じです。
熱感があり、汗をかいている人が葛根湯(かっこんとう)を服用すると、良くならないばかりか、汗をかきすぎてかえって体調が悪化する場合もあります。
また、胃腸の弱い方や、心疾患を持っている方は特に注意が必要です。
やはり、その方の体質やその時の症状を正確に見極めて漢方薬を活用することが大切ですので、漢方薬を服用の際には専門スタッフにご相談いただければと思います。
冬の食養生
冬は五臓で腎の季節です。よって、体を温め、腎の機能を助ける食物を積極的に摂ることが大切です。また腎を傷つける「辛いもの」「味の濃いもの」「塩分の多いもの」は控えるようにしましょう。
腎を助ける食べ物
しょうが・ニンニク・ねぎ・山芋・栗・唐辛子・シナモン・朝鮮人参・うなぎ・羊肉など冬が旬の食べ物
かぼちゃ、れんこん、大根、ごぼう、人参、山椒、くるみ、松の実といった冬が旬の食べ物や、鉄分の摂取でエネルギー生産量が上がることから、ほうれん草、切干大根、わかさぎ、鉄分の吸収を良くするビタミンCのみかんや白菜など冷えで血の流れが滞っている方へオススメの食べ物
セロリ・玉ねぎ・ニラ・ゆず・玄米・シナモン・ひじき・かじきまぐろ・くらげ・タコ・さくらんぼなど冷え、肩こり、ひざ関節痛、食べすぎ・飲みすぎ、また風邪など、冬の気になる症状、
漢方に精通している埼玉中医薬研究会、会員店に何でもお気軽にご相談ください!
★漢方相談、承ります★
あなたにピッタリの漢方薬&オリエンタルハーブをお選びいたします。
ご予算につきましても、お気軽にご相談ください
冬の過ごしかた
投稿日: