【講師】 高橋陽子先生
【まとめ】埼玉中医薬研究会 学術担当:永和堂薬局 松永知子先生
「よく見られる病気の食養生」講義をしていただきました。
主に日本人が多い胃腸のトラブルや肥満・体脂肪率が高く高脂血症・糖尿病・高血圧・動脈硬化・心臓病・脳卒中などの生活習慣病にはいろんなタイプがあり、タイプ別にどのようなものを、どのように摂取したほうがよいか、食べてはいけないものなど話されました。
例えばコレステロールが高く、便秘気味であれば養生茶の決明茶がよく、山査茶、ハトムギなどと合わせて烏龍茶で飲むと良い。 また、各季節の変わり目「土用」には、季節が変わるにあたって脾胃機能を整える必要があり、各臓腑とも関係すると言われました。
中医学の考えでは、薬や食べ物は五つの味に分類されていて、それぞれの臓器を養いますが、取りすぎると臓器を傷めることにもなります。五味は相克の関係にあるので、それぞれのバランスも重要です。
例えば「苦」味をとり過ぎると、脾気が詰まり消化不良や腹部脹満がおこり、「甘」味をとり過ぎると、顔色が黒くなり、胸がやけ、腎の働きが悪くなり、「辛」味をとり過ぎると熱症が生じ、精気が消耗し、「鹹(しおからい)」味をとり過ぎると腰骨が痛み、「酸」味をとり過ぎると、肝気過剰のために脾気が損傷される、といった風に影響するというわけです。
しかし、五つの味というのは、単純に舌で感じる「味」のことではありません。例えば、栗や大豆は(しおからくないですが)鹹(しおからい)味、桃や鶏肉は(辛くないですが)辛味に分類されています。
分類 | 食べ物の例 |
苦 | 麦、あんず、羊肉、ひじき、らっきょう、フキ、みかんの皮 |
甘 | 米、ナツメ、牛肉、アジ、うなぎ、牡蠣、青菜、アスパラガス、カボチャ、さつまいも、蒟蒻、セリ、セロリ、筍、人参 |
辛 | 粟、桃、鶏肉、里芋、ネギ、にら、パセリ、大蒜、コショウ |
鹹 | 大豆、栗、くるみ、豚肉、クラゲ、昆布、すっぽん、蛤 |
酸 | ゴマ、すもも、ニラ、酢、梅、みかんの実、リンゴ |
五味と五臓との関係も密接で、例えば心は火に属するので良い味は苦味、火は水で消されるので悪い味は水に属する「しおからい」となります。
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また、食べ物には「寒・微寒・温・熱」の四気があります。食べ物が体内に入ったとき、冷やす方向へ働くのか、温める方向へ働くのか、といった作用で分類しています。
五味や四気は生食と加熱食とで変化します。ひとりひとりの体質(気虚や痰湿、お血など)や季節(タイミング)とも密接な関係があります。
どの薬も食べ物も病に対して有益になる場合と弊害になる場合があるのです。
食養生で大切なことは、確かな知識と理解による【適応】な判断です。
アドバイスを受ける時には信頼できる薬局を選びましょう!
2010年1月17日勉強会出席者(※順不同) | ||||
・モトマチ薬局 長島先生 | ・愛育堂薬局 和田先生 | ・永和堂薬局 松永先生 | ||
・ABC薬局 江良先生 | ・東薬局 長澤先生 | ・薬眞堂薬局 三矢先生 | ||
・ウエマツ薬局 植松先生 | ・薬眞堂薬局 小手指店 三矢先生 | |||
・もも木薬局 桃木先生 | ・升屋栄貫堂薬局 引間先生 | |||
・林漢方薬局 林先生 | ・薬局しみず快生堂 清水先生 | |||
・いわい薬局 岩井先生 | ・漢方専門薬局 環 梶谷先生 | |||
・松一屋薬局 松永先生 | ・岡田厚生堂薬局 岡田先生 | |||
・太極堂薬局 小寺先生 | ・大慶堂薬局 上柴店 大谷先生 | |||
・葵漢方薬局 吉岡先生 | ・エミカ薬局 多田先生 | ・陽花莉薬局 池田先生 |